【邦楽アルバム】椎名林檎 「無罪モラトリアム」レビュー

スポンサーリンク


Pocket

無罪モラトリアム

さて今回は、椎名林檎の「無罪モラトリアム」をレビューします。
椎名林檎は日本のシンガーソングライター。
和を感じさせる特徴的な日本語、妖艶な容姿などで完全に自分の世界を確立しているアーティストです。デビュー当時からずっと持ち続けている、圧倒的な存在感は20年近く経った今でも衰えることはありません。

椎名林檎 「無罪モラトリアム」レビュー

椎名林檎 の「無罪モラトリアム」は1999年発売の1stアルバムです。
1stらしい若々しさとベテランのような貫禄を持ち合わせた、不思議なアルバムです。
ただひとつ言えるのは圧倒的な才能がすでに顔を出していることですね。

では全曲レビューします。

1.正しい街

デビューアルバムの1曲目から、非常にパンチの効いた1曲ですね。
コードの流れがとにかく秀逸。半音ずつ下がっていくコード感は、「ヤられた!」としか言いようがありません。
当然ながら椎名林檎のボーカルも素晴らしい。囁くように悲しげに歌ったり、サビには元気のある張りあげた声になったりと、じっくり楽しめる1曲。

2.歌舞伎町の女王

シングル曲。マイナー調なコードながらもメロディアスなナンバー。セブンスやマイナーセブンスを多用して、暗めながらもオシャレさと、昭和感を感じる不思議な曲調。
あとはなんといっても印象的な歌詞。このタイトルを思いついた時点で勝ちですね。

3.丸の内サディスティック

椎名林檎の名刺がわりのような曲です。ピアノとブルースハープが印象的なジャズポップナンバー。このコードのオシャレさは特筆モノですね。
歌詞の「マーシャルの匂いで飛んじゃって 大変さ」や、「ラット1つを商売道具にしているさ」など、ギタリストには嬉しい歌詞もポイント。

4.幸福論(悦楽編)

デビューシングルのアルバムバージョン。オリジナル版はユルめのテンポにキレイなメロディがのっかるポップソングですが、こちらはパンクバージョンです。
本来のキレイなメロディはそのままに、歪んだボーカルにギターがカッコいい。
ラストのシャウトは鳥肌モノ。

5.茜さす 帰路照らされど…

ピアノのイントロが美しい、ジャズバラード。オーソドックスな展開に聴きやすい歌メロ。
多少舌を巻いたりと、椎名林檎らしさも見えますが、かなりポップでスッと入ってくる1曲。
ラストの英詩部分はデビューアルバムとは思えない貫禄。

6.シドと白昼夢

高音の弦楽器の音が印象的なイントロ。フワフワした曲かと思いきや、サビには歪んだエレキギターが乗っかり、ロックな展開に。
歌詞はやや病んだような内容でちょっと怖い「あなたには殺されてもいいわ」など、椎名林檎のキャラと非常にマッチしていますね。

7.積木遊び

歪んだベースのイントロから始まるロックナンバー。なんともマニアックな曲です。
基本的には歪んだエレキギター、ベースを使っているので、ロックなはずなんですが、中盤は歌舞伎っぽいフレーズもあり、もはやジャンルはわかりません。
わかるのはただただカッコいいということだけ。
これは椎名林檎の才能の片鱗を感じさせますね。3rdの「加爾基 精液 栗ノ花」の曲たちに通ずる世界観。

8.ここでキスして。

ヒットシングル。
椎名林檎のすごいところは、「積木遊び」のようなマニアックな曲も書きつつ、この曲のように売れそうなポップソングも書けるところですね。
ストレートなラブソングですが、独特の歌い方で椎名林檎の持ち味が出ていますね。
憧れる人が続出するのも納得。
英詞部分の「kiss me〜」の裏声混じりの歌い方がゾクっときます。

9.同じ夜

三拍子のアコースティックバラード。
アコースティックギターのコード弾きにのっかるバイオリンが切ない。
椎名林檎のボーカルも、とにかくメロディアスでもの悲しく、涙を誘います。
さらに歌詞がポイント。漢字がやたらと多く、非常に椎名林檎らしいです。
中身も泣けるんですよね。「同じ空は明日を始めてしまう 例えあたしが息を止めても」なんかはメロディと相まって心に響きまくりです。

10.警告

ディストーションギターのダブルチョーキングのリフから始まるダークなロックナンバー。
オーソドックスな展開ながらも、ブレイクでボーカルだけになったり、トレモロの効いたギターなど、「おっ」と思える部分の多い聴きどころ満載の1曲。
ワウを効かせまくったギターソロなど、気持ちいいほどのストレートなロック。スカッとしたいときにオススメ。

11.モルヒネ

ラストは不思議な歌詞のポップナンバー。
イントロはこもった音のロック調ですが、歌が入るとアコースティックギターを基調にしたいポップソングに。
「麻薬物質はとめどなくとめどなく排出されゆき」などのディープな歌詞を能天気なほどのポップなメロディで歌うというかなりミスマッチな展開。
聴きやすいながらも不思議な空気のまま、アルバムは終了。

スポンサーリンク

レビュー総括と感想

まあデビューアルバムからパンチの効いた作品出したな!という印象です。
これだけ自分の色を出せるアーティストはなかなかいないでしょう。
このアルバムを出したのは20歳そこそこだと思いますが、曲によってはすでにベテランの貫禄すら感じさせます。

とはいえ一方で、歌詞なんかは若さを感じる部分もあり、いろんな目線で楽しめるアルバムですね。
曲調はロックもあればジャズもありと、かなり幅広いですね。
このあたりはギターもピアノもこなす器用さが起因している感じですかね。
このアルバム以降、さらにいろいろな実験的な音楽にも手を広げていくわけですが、原点はやはりここにあるんでしょうね。
椎名林檎の「無罪モラトリアム」おすすめです。

他のレビューもいかがですか?

洋楽レビューを見る
邦楽レビューを見る