【洋楽アルバム】Radiohead 「Hail To The Thief」レビュー

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Hail to the Thief

さて今回は、Radiohead(レディオヘッド)の「Hail To The Thief」をレビューします。
Radiohead(レディオヘッド)はトム・ヨーク率いるイギリスのロックバンドです。
バンドの枠を超えた多彩な楽曲が魅力のバンドです。

Radiohead 「Hail To The Thief」レビュー

Radiohead の「Hail To The Thief」は2003年発売の6thアルバムです。
「OK Computer」「KID A」「Amnesiac」など、世界を変えたとされるアルバムを連発した後の作品ということで注目が集まりましたが、そんなプレッシャーなどものともせず、最高のアルバムを出してくるあたりは格の違いを感じさせますね。

では全曲レビューします。

1.2 + 2 = 5

暗い暗いアルペジオから、トム・ヨークのボーカルがメロディアスに入ってくるオープニングナンバー。
再生した瞬間にRadiohead (レディオヘッド)ワールドに引きずり込まれる感覚はさすが。
中盤以降の盛り上がりはKID A以降のアルバムにはなかった要素。
ロックなRadiohead (レディオヘッド)。ただただ純粋にかっこいい。

2.Sit down. Stand up

不気味な打ち込みから不穏なシンセのトラック。
歌メロディも暗く、不安を誘う展開へ。ひたすらタイトルの歌詞を繰り返し、少しずつカオスな世界へ入り込んでいきます。
だんだん盛りあがり、終盤は一気にスピード感溢れるエレクトロニカに。
生ドラムも混じったトラックに同じメロディを繰り返すトム・ヨークの声にトリップしっぱなし!

3.Sail to the Moon

スローでダークなバラード。
トム・ヨークの美しいファルセットに、感動的なメロディ。
バックの演奏はピアノをメインに、クリーントーンギターが幻想的なフレーズを紡ぎます。

4.Backdrifts

これはもはや「バンド」という枠は完全に超えてしまっていますね。
打ち込みドラムに、ホワホワとずっと鳴っているシンセの音。
その上に乗っかるトムのボーカルは宇宙空間を彷徨うかのよう。
そこかしこに飛び回る音をじっくり聴いているとおかしくなりそうな1曲。
でもポップに聴ける。非常にカッコいい。

5.Go to Sleep

アコースティックギターのリフと変拍子が絡み合うロックナンバー。
生ドラム、ベース、ギター。ロックの王道楽器だけを使っているのに、完全にRadiohead (レディオヘッド)の音になるのがすごい。

6.Where I End and You Begin

スピード感のあるドラムにベースのフレーズが踊りたくなるナンバー。
相変わらずの陰鬱さはあるものの、歌メロはかなりメロディアス。
間奏のギターカッティングからの「X will now mark the place〜」のトム・ヨークのハイトーンボイスは鳥肌もの。
ラストのトムの声だけになり、希望を感じる終わり方。なんでこんな曲書けるんだ…

7.We suck Young Blood

ダークなピアノナンバー。
ハンドクラップがなんだか不気味。トムの声はずっとハイトーン。
ひとつのメロディでずっと押し切る展開。ややオペラのような雰囲気を感じる曲。

8.The Gloaming

こちらも不思議な曲です。
一般的にバンドで使われる楽器の音は一切出てきません。
アナログシンセのブチブチ音と浮遊感のあるトムのボーカル。
それに打ち込みのリズムトラック。
コーラスも多用されており、聴きやすさもある1曲。

9.There, There

これがアルバムのリードトラックですかね。イントロのタイコの音からのギターのアルペジオに、繊細なトムのボーカル。この一体感は何なんだ?
ものすごく泣けるメロディなわけでもないですが、すべての演奏と歌がひとつになってグイグイくる感じです。
「There there〜」のボーカルはカッコよすぎ。ギターソロもミドルの効いた音でのクロマチックスケールがいかにもジョニー・グリーンウッドの弾くギターでテンション上がりまくりです。

10.I will

クリーントーンのギター弾き語り。
ロートーンとオクターブ上のファルセットボイスが心地よい。
暗めの子守唄のような1曲。

11.A Punchup at a Wedding

ベースのハネたフレーズに乗っかるピアノから始まるナンバー。
トムのファルセットで歌いあげるサビのメロディはかなり秀逸。
基本的には美しいメロディなのですが、「It’s a drunken punch-up 〜」の部分のボーカルは男らしさも垣間見えます。

12.Myxomatosis

ブリブリのシンセベースのリフとリズムトラックで一気にブッ飛ばされるロック(?)ナンバー。
もうこのリフがすべてでしょう。そりゃトムのボーカルもカッコいいし、ところどころで鳴るシンセの音もいいけど、やはりリフ一本で乗り切る潔さ。

13.Scatterbrain

クリーントーンギターのアルペジオに、浮遊感漂うトム・ヨークのボーカル。 左右で絡み合うギターや、ボーカルに時々かかる震えるようなエフェクトなど、ただのキレイな曲で終わらないところがいかにもRadiohead (レディオヘッド)らしい。
でもやっぱりトムのハイトーンボイスに魅了されるんですよね。

14.A Wolf at the Door

3拍子のマイナー調ナンバー。
アコギとシンセのユニゾンアルペジオのイントロから、冒頭はラップのように言葉を詰め込んだボーカル。
しかしながらサビに入ると幻想的で美しいメロディに。この展開はなかなかないですね。
曲自体は3分少々とコンパクトですが、アルバムのラストにふさわしい余韻を残してくれる1曲。

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レビュー総括と感想

さすがはRadiohead (レディオヘッド)と言わざるをえない、最高のアルバムです。
14曲と、普通なら聴き疲れしてしまいそうな曲数ですが、全くそんなことはありません。
多彩な曲たちで飽きることもなく楽しめます。
前作「Amnesiac」やその前の「KID A」に比べるとかなり聴きやすいアルバムです。
しかしながら、その前のRadiohead (レディオヘッド)に戻ったとか、そんな簡単な話ではありません。
前2作の深く沈み込むようなダークな部分も吸収した上での楽曲たちですね。
ちょっと聴いた感じでは聴きやすくなっているので、真似できそうと錯覚してしまいがちですが、その実誰も真似出来ない域に到達してしまっているアルバム。
Radiohead(レディオヘッド)の「Hail To The Thief」おすすめです。

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