【邦楽アルバム】ゆらゆら帝国 「空洞です」レビュー

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空洞です

さて今回は、ゆらゆら帝国の「空洞です」をレビューします。
ゆらゆら帝国は日本の3ピースバンド。坂本慎太郎率いる、サイケでポップな不思議バンド。
ミュージシャンからも支持も厚い、一筋縄ではいかないバンドです。

ゆらゆら帝国 「空洞です」レビュー

ゆらゆら帝国 の「空洞です」は2007年発売の11thアルバムです。
ゆらゆら帝国は2010年に解散していますので、このアルバムがラストの作品ですね。
新しいような古いような、なんとも不思議なフワフワミュージックを存分に楽しめるアルバムです。

では全曲レビューします。

1.おはようまだやろう

トレモロの効いたギターが不思議なサイケポップからアルバムはスタート。
演奏はフワフワとつかみどころがないですが、坂本慎太郎の紡ぎ出すメロディは非常にポップで聴きやすい。
間奏にはサックスも入り、オシャレさもプラス。

2.できない

単音のリフ一発で進むロック?ナンバー。ミニマルというかなんというか、とにかくひたすらに繰り返しのリフがクセになります。
ここでもボーカルはポップで踊り出しそうなテンション。
間奏のギターのハモリがどんどん重なるところがクライマックスですね。

3.あえて抵抗しない

「はい、さっきの続き。」と言わんばかりのトレモロがかかった単音ギターフレーズ。
この人たちの頭の中はどうなっているんでしょう?
正直ワケがわからないですが、なぜか歌メロと単音フレーズの絡みが気持ちいいんですよね。
ラストの民族調のリズムとリフの繰り返しはトンでしまいそうになります。

4.やさしい動物

ここでトレモロゾーンは終了。
しかしながら相変わらずサイケ。プリング混じりのギターフレーズに、ドラムとベースもずっと同じパターンを演奏し続けます。
ボーカルはハモリも加えてポップ感があります。でも何歌っているのかなどはわかりません…。

5.まだ生きている

軽快なブルース調のリフに、坂本慎太郎のハイトーン「ドゥ ハァ」というかけ声が楽しげなナンバー。
中盤はクランチギターのコード弾きでロックっぽさも。
これはカッコいい。

6.なんとなく夢を

揺れるギターが心地よい、ファンク調のナンバー。坂本慎太郎のフワフワしたボーカルと非常によくマッチします。
歌詞がシンプルなようで深いようで、沁みてきますね。
間奏以降に入る管楽器の音も心地よさを加速させます。
ラストの「夢 を 」の連続は、ゆらゆら帝国の世界にジワジワ連れて行かれます。

7.美しい

少し早めのロックナンバー。
相変わらずの単音リフですが、リズムと合わせて踊れる1曲。
歌メロディとベースラインがポップさを醸し出します。他の曲同様にサイケなんですが、ポップさが共存しているところが素晴らしい。

8.学校へ行ってきます

冒頭の「行ってきます」から始まる、歌というより朗読な1曲。
バックで流れるトラックは、ギターやシンセ、尺八のような音までカオスに入り乱れます。これはサイケの極み。

9.ひとりぼっちの人工衛星

このアルバム1番のポップソング。
はっぴいえんどの曲と言われても違和感のない綺麗なメロディ。
1曲前の「学校へ行ってきます」のどサイケとの対比が非常に面白い。
ギターはワウを効果的に使った坂本慎太郎らしいフレーズですが、ベースラインでポップさを出し、その上の歌メロと絡み合わせることで極上のポップソングになっています。
これは名曲。

10.空洞です

最後は楽しげなポップソング。
ビーチボーイズかのような軽快なメロディに女性コーラスが60年代に戻されたかのよう。
間奏は管楽器が加わり、いつものサイケの匂いも。
しかしながら全体的にはまぎれもないポップソング。
坂本慎太郎の「空洞!」のシャウトの余韻を感じつつ、アルバムは終了。

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レビュー総括と感想

まずはなんといっても坂本慎太郎のギターフレーズでしょう!
この手の単音リフはどうしてもペラペラになりがちですが、それを感じさせません。
同じフレーズを繰り返すうちに、どんどん引き込まれていくのはダンスミュージックに通ずるものもあります。
全曲に醸し出されるサイケ感がたまりません。

「サイケ」とだけ聞くと、誰も理解できないような音を想像してしまいがちですが、そんなことはありません。
パッと聴くと「なんか不思議な音だな」と思いますが、次第に「もっと!もっと!」と音を求めるようになってしまいます。
また、それぞれがカオスな音を出していても、全体として非常によく調和しているので、不快感は全くありません。
むしろその音の一体感がズンズン身体に入ってきて中毒になる感じです。

ゆらゆら帝国の世界の「空洞です」、ちよっと変わった音楽を楽しんでみたい人におすすめです。

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