【洋楽アルバム】The Mars Volta「Frances the Mute」レビュー
今回はThe Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)の「Frances the Mute」をレビューします。
The Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)は「At The Drive In」のセドリックとオマーのアフロ二人組を中心に結成されたバンドです。
ジャンルは…まったくわかりません。ハードロック、メタル、サイケ、インプロなど、なんでもありな本当にメチャクチャなバンドです。
The Mars Volta「Frances the Mute」レビュー
The Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)の「Frances the Mute」は2005年発売の2ndアルバムです。
このアルバムは本当に凄いです。やりたい放題やりきっていますが、音は超一流。
これ以上ないカッコよさです。
完全に好き嫌いは別れると思いますが、聴かないと人生損するレベルの超名盤。
では全曲レビューです。
1.Cygnus….Vismund Cygnus
13分超の大作。完全なるプログレ。現代的サイケデリック・プログレッシブ・ハイトーン・アフロといったところでしょうか…
これは私の中では完璧な曲。
おそらくバンドマンってみんなこんな音出したいと思っているはず。
コードがどうとか、そういう世界ではありません。これだけ意味不明な演奏しながらも、聴きやすさを犠牲にしていないのはさすが。
ギター、ドラム、ベース、ボーカル、それぞれホントに頭がおかしいとしか思えない。でも、この相当な難易度の演奏をバチッとキメるんです、この人たち。
これはロック史に残るべき名曲。
2.The Widow
打って変わってクラシックギターからはじまる、影のあるバラードナンバー。
ボーカルセドリックのハイトーンボイスが気持ちいい。
ギターソロもロックなアプローチで、80年代ハードロックぽさが感じられます。
でも中盤からは不安を煽る効果音だけのパートになり、そのまま曲は終了。やはり一筋縄ではいかないバンドです。
3.L’Via L’Viaquez
これもややハードロックっぽさはありますが、音は現代的。
やはりこの曲も展開はシンプルではありません。途中で民族音楽調になったり、そこからいきなりワウの効いたギターソロに突入したりします。
目まぐるしさはあるものの、ちゃんとロックとして聴ける。このバランスが凄いの一言。
終盤はなんでもアリのインプロ状態。
こうして言葉を並べたてる事自体が無意味に感じるほどのインパクト。
4.Miranda That Ghost Just Isn’t Holy Anymore:A.Vade Mecum
アルバムクレジット上は4,5,6,7に分かれていますが、合わせて1曲です。
SE調のイントロが4分以上続き、ようやく曲が始まります。
序盤は歌いあげるようなボーカル。ギターのアルペジオと絡めて、不穏ながらも美しいメロディ。ドラムとコーラスが入り、力強くなる中盤。その後は静かに終了。
5.Miranda That Ghost Just Isn’t Holy Anymore:B.Pour Another Icepick
いきなりワケのわからないリフとリズム。これはブッ飛ぶしかありません!。ドラムンベースっぽいリズムにスペーシーな展開もあり、メロディアスなボーカルもあり、とやりたい放題ですが、サビ?のタイトな演奏とボーカルはマジでかっこいい。
それまでバラバラだったのが一気に一体化して爆発するイメージです!鳥肌!
6.Miranda That Ghost Just Isn’t Holy Anymore:C.Pisacis (Phra-Men-Ma)
そのテンションそのままに、ワーミーペダルやワウを使ったソロ、ストリングス、暴れまわるドラム、その上に乗っかるラップかのようなボーカル。
完全なる音の暴力!!されるがままに立ち尽くすしかありません。
7.Miranda That Ghost Just Isn’t Holy Anymore:D.Con Safo
引き続き暴れっぱなしの展開。
ストリングスもギターもベースもドラムも、もはや何をしているのかわかりません!ただただこの音に脱帽!
8.Cassandra Gemini:A.Tarantism
こちらもアルバムクレジット上では8,9,10,11,12に分かれていますが、1曲です。
3拍子の単音ギターリフとスペーシーなシンセから始まり、そこにベースも同様のリフで絡んできます。
ボーカルは語りに近いイメージ。
中盤はギターが効果音を出すための楽器と化しています。カオス。
9.Cassandra Gemini:B.Plant a Nail in the Naval Stream
このアルバムには珍しく静かな立ち上がり。ゆったりとしたベースの一定のフレーズの上に、アドリブであろうギターが
乗っかります。ボリューム奏法でスペース感の味付けも。終盤にはワーミーペダルと歪みの音で少しずつ、だんだんアガります。
10.Cassandra Gemini:C.Faminpulse
そのままインプロに突入。
管楽器も交えてアシッド感も加わります。アルバム前半の暴れっぱなしのトリップとは別物のトリップ。
ここでもだんだんスピード感を増していき、盛りあがっていきます。
ここで久々にボーカルも加わります。
11.Cassandra Gemini:D.Multiple Spouse Wounds
ここてまた5.と同じサビにもどります。
最高潮の盛り上がり。ひたすらクール。
12.Cassandra Gemini:E.Sarcophag
1.のイントロと同じフレーズに戻り、ついにアルバムは終了。
ここまで聴いた時点ですでにどっぷりハマってしまっているので、また最初から聴いてしまいますね。
スポンサーリンク
レビュー総括と感想
奇跡という他ありません。
こんなアルバムは2度と出来ないでしょう。聴いたことない人にはとにかく一度聴いてみてもらいたい。
ハマるかどうかは分かりませんが、何も感じないということは絶対にないアルバムです。
The Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)の「Frances the Mute」激烈におすすめです。